文化

日本の回転寿司:楽しみ方・ルールと人気店

お寿司を食べるのに、回転寿司を利用したことはありますか?

回転寿司は新鮮なネタ、こだわりのシャリ(酢飯)はもちろん、寿司の世界にビッグデータを取り入れたりとどんどん進化しています。いまや、本場・日本でお寿司を食べるときに回転寿司という選択は外せないのです。

そうは言っても、利用するのにルールがあるのかなど気になるという方もいらっしゃるでしょう。そこでこの記事では、回転寿司とはどんなお店なのか、その楽しみ方やルールについて解説します。

ぜひ、日本の食文化・回転寿司を楽しむ際のご参考にしてください。

回転寿司はどんなお店?

今では世界中で人気のお寿司ですが、握り寿司の歴史は江戸時代の19世紀に始まったと言われています。

江戸時代には仕事が終わると屋台でパッとつまんで食べる、まさにファストフードとして多くの日本人に親しまれました。その後、寿司屋のカウンターやテーブル席に座って食べるお寿司は高級日本料理へと変わっていきます。

何種類のも新鮮な魚をネタにするお寿司はヘルシーな食べ物として、日本人のみならず外国人にも楽しまれています。そして誕生したのが、回転寿司です。

まず、回転寿司はどんなお店なのか解説していきましょう。

初の回転寿司は大阪で誕生

回転寿司の誕生により、寿司業界に大きな変化がありました。寿司職人の握る寿司を食べるというスタイルを覆す、回転寿司というそのアイデアは衝撃的とも言えるものだったのです。

1958年、初めて回転寿司を誕生させたのは、大阪の「元祖 廻る元禄寿司」。故・白石義明氏(元会長)によるものでした。

「元祖 廻る元禄寿司」本店
画像引用元:廻る元禄寿司公式サイト

回転寿司の店内に入ると、設置されたチェーンコンベアがまず目に入ります。そのチェーンコンベアが常に回転しているのですが、その上にお皿に乗ったお寿司が置かれています。

パイオニア白石氏によるこのアイデアは、大阪にあるビール工場で使われているベルトコンベアをヒントに生まれたものでした。

「元祖 廻る元禄寿司」は10年後には宮城県仙台市にフランチャイズ1号店がオープン、その後には今ではどこにでも見られる自動給茶装置を開発しました。1970年代には、回転寿司と言えば元禄寿司というほどに人気になっていったのです。

ちなみに70年代には、世界初の電子メールが送られたり、ソニーのWalkmanが発売されたりしました。このような時期に、日本の寿司業界にも大きな変動があったのです。

回転寿司のコンセプトとは?

寿司業界にそれまでなかった大きな流れを作った回転寿司ですが、そのコンセプトとは何でしょう。一言で言えば、美味しいお寿司を気軽に食べてお腹も心も満たすということに尽きると言えます。

これは敷居の高い寿司屋とは正反対であり、江戸時代に庶民のファストフードだったお寿司を再現していますね。

また、お子さんのいる家庭でもファミリーレストランを利用するのと同じように気兼ねなくお寿司を楽しめることは、多くの方にとってメリットでしょう。

このように、誰もがお寿司を気軽に美味しく食べることを提供するのが回転寿司のコンセプトなのです。

人気の理由は安くて美味しい明朗会計

元禄寿司の白石氏が回転寿司を開発した時期は、日本が人出不足に悩んでいた時期と重なります。

雇ってもすぐに辞めてしまう人材に、立ち食いのスタイルの寿司屋を営んでいた白石氏は合理化に着目、ビール工場のベルトコンベアを回転寿司という形にしてそれを実現しました。

このようにして回転寿司は最大に合理化した形となり、コンセプトでもある安くて美味しいお寿司を提供することが可能になったのです。100円均一のお店もあれば、寿司屋に劣らない本格的なお寿司を出すところもあります。

ご存知の通り、お寿司はネタによってその値段が違います。回転寿司では値段がお皿の色によって分かれている「見える化」により、安心してお寿司を食べることができます。食事が終わったときは、各色のお皿の数を数えてのお会計となります。

このように、回転寿司は合理化によって安くて美味しいお寿司を安心して食べられるという、顧客満足度の高いところが人気の大きな理由となっているのです。

タッチパネルは英語にも対応

外国人の皆さんは、下記のような体験をされたことがありませんか?

  • 寿司屋でカウンターに座ったときに緊張感があった
  • 何を頼んでいいか分からなかったけれど、英語のコミュニケーションがとれなかった
  • 値段が書かれていないのでいくらになるか不安になった

回転寿司なら、これらすべての不安が解消されます。目の前にくる自分の好きなお寿司を選ぶので言葉の問題がないからです。

また回転寿司は流れてくるお寿司だけを頂くだけでなく、タッチパネルの操作によって食べたいものをオーダーするシステムがあります。オーダーするとそのお寿司がチェーンコンベアに流れてくるのです。

その操作パネルですが、日本語だけでなく英語にも対応したものになっています。このタッチパネルによって外国人の方も気軽に好きなお寿司をオーダーすることができます。

回転寿司の楽しみ方・ルール

これから回転寿司に行ってみようと思った方のため、ここでは回転寿司のシステム、そして知っておきたいルールについて紹介します。

回転寿司ではどんな風にお寿司を食べるの?

まず、回転寿司でお寿司を食べる流れを紹介しましょう。

先ほど触れたように、回転寿司の店内にはチェーンコンベアが設置されています。入店した客は好きな場所を選び、チェーンコンベアを前にして座ります。

家族や友人が一緒の場合は、テーブル席を利用できます。すべての席はチェーンコンベアと隣り合わせたレイアウトになっています。

カウンターやテーブルには通常、予め以下のようなものが置かれています。

  • おしぼり
  • 粉末のお茶
  • 湯飲み
  • 醤油
  • 醤油の小皿
  • ガリ

お寿司はそのチェーンコンベアに乗せられ客の前に流れてきますので、好きなネタがきたら自分でお皿を取って頂くというとても簡単なシステムになっています。

ちなみに、お寿司の食べ方はお箸でも手でも良いのですが、ネタとシャリを分けず、ひっくり返してネタにちょっと醤油をつけて食べてください。

お茶はセルフサービス

お茶はセルフサービスです。お寿司を待っている間に、まずお茶を淹れましょう。粉末のお茶を湯飲みに入れ、席に設置されているお湯だしボタンを押すとお茶の出来上がりです。

アルコールもタッチパネルでオーダー

回転寿司ではアルコールも取り扱っています。タッチパネルでオーダーできますから簡単ですし、飲み放題500円という回転寿司もあります。

お会計

最後にお会計になりますが、例えばビッグデータの利用で大成功のスシローでは受付時に渡されるQRコードを使い、客みずから会計できるセルフレジの導入をしています。

また、多くのお店でも精算のためにお皿にICタグをつけて瞬時に合計金額を計算できるようにしています。

お寿司とテクノロジーのマッチングは、外国人の方にとって面白いのではないでしょうか?

知っておきたい回転寿司ルール3つ

回転寿司は気軽に行けるお寿司やさんですが、いくつかルールがあります。事前に知っておけば安心して美味しくいただけます。

他の人がオーダーしたものは取らない

タッチパネルで好きなネタをオーダーできる回転寿司ですが、間違って人のオーダーしたものを取ってしまうことがあります。

お店によっては人がオーダーしたものだと分かるような形でチェーンコンベアに乗せますし、自分がオーダーした場合はタッチパネルに「注文品が届きます」といったメッセージが出ますのでそれらで確認してください。

また、レーンをまたいで向こう側のお皿を取ることも避けてください。

一度手にしたお皿は絶対に戻さない

その後にもっと食べたいものが来たりして、一度手にしたお皿をチェーンコンベアに戻したいと思うことがあるかもしれませんが、これはマナー違反です。

ネタでなくお皿を触った時点で引き取らなければなりませんので、衛生上ぜひ覚えておいてください。

選んだものは全部食べる

選んだお寿司は残すことなく全部食べましょう。

取ったもののお腹がいっぱいになって食べられない、シャリを残してネタだけ食べる、といったことを避けるべきです。

人気の回転寿司店

最後に、回転寿司に行きたいと思われた方に、人気の回転寿司店をご紹介しましょう。紹介するお店にはすべて英語のメニューが用意されています。

安心の質・価格の回転寿司店

回転寿司ならでは、手軽にお寿司を楽しめるお店は以下2店です。

トリトン

画像引用元:トリトン公式サイト

北海道直送の安心で安全なネタを使い、寿司職人のほとんどが北海道出身というこだわりのお店です。その日北海道で水揚げされたもののなかで厳選素材のみを仕入れ、職人が一手間加える仕込みにより逸品を作り出します。

店舗は北海道をメインに東京に2店舗のみ。魚に精通した強みを活かし旬を味わえる回転寿司店です。

職人とスタッフの元気な声、お寿司を旨いと感じることのできる最適の室温調整など店内環境は素晴らしく、客足が途切れないおすすめのお店です。

くら寿司

「安心・美味しい・安い」をコンセプトに、全国展開する回転寿司チェーンです。

特徴的な「シャリハーフ」は、糖質が気になる客のためのくら寿司のアイデアが形になったものです。1皿100円からある寿司メニューに加え、ラーメン、天丼やうな丼、そしてスイーツも豊富に揃っています。

また、「無添 くら寿司」では化学調味料、人工甘味料、合成着色料また人工保存料を使わないお寿司をすべて100円で提供しています。安全なお寿司を食べたい方には大変おすすめです。

子ども連れにおすすめの回転寿司店

週末や記念日などに家族で食事をしたいとき、回転寿司はとてもおすすめです。自分で選んで食べる回転寿司は、お子さんにとってエンターテイメントそのものです。

ファミレスのように子ども用のメニューやカトラリー、多目的トイレが用意されているのも嬉しいですね。

スシロー

画像引用元:スシロー公式サイト

スシローは、ビッグデータを使ってお皿から様々なデータを集めます。例として、客が食べる量を予測することで食材の廃棄料も4分の1に減らすことに成功してきました。これがコストカットにつながり、低価格で美味しいお寿司を提供することができたため人気のお店となりました。

お寿司以外のメニューも多くあること、キッズスタンプカードでグッズが貰えたり、auスマートパスで2皿無料になったりとお得なサービスもあることなどから、子ども連れでお寿司を楽しみたい方に人気となっています。

すし銚子丸

画像引用元:すし銚子丸公式サイト

すし銚子丸は100円寿司ではないものの、新鮮で美味しいお寿司に人気があります。

握りだけでなく、豪華な丼ものメニューもあります。子ども用お寿司セットもありますし、子どもに人気の卵焼きは焼きたてを熱々で出してくれます。

そして目玉は「マグロの解体ショー」。これには子どもだけでなく外国人の方も目が釘付けになるでしょう(予定はホームページで要確認になります)。

まとめ

美味しさ、気軽さ、エンターテイメント性を兼ね備えている回転寿司をご紹介しました。日々進化し、「高級回転寿司」「回転寿司食べ放題」といったものまで出てきています。

難しいマナー無しに、安心して美味しいお寿司を食べることができる回転寿司。ぜひ一度ご体験ください。