文化

日本の着物の概要と着付け

日本の伝統的な衣服といえば、着物ですよね。日本に西洋の文化が入ってくるまで、日本人は和服である着物を着用していました。

現在は、日常的に着物を着る人こそ減っているものの、愛好者はまだまだ多くいます。着物の値打ちは幅広く、高いものは数百万円するような一品も。そのため、嫁入り道具として母親から娘へと受け継がれている着物も多いのです。

そんな着物の歴史や文化、さらには着物の着付け方法や、外国人の方向けの着物レンタルサービスについて今回はご紹介したいと思います。

日本の着物の歴史と種類

日本で言う着物は、日本の民族衣装と言ってもいいほど昔から着用されていた衣服であり、和服とも言われています。着物という言葉は本来「着る物」という意味でしたが、洋服文化が進むにつれて和服=着物と置き換えられるようになりました。

素朴な物から華美な物まで幅広い種類があり、織物なので手間暇かけているものほど価値が上がります。

着物が最も華やかになったのは平安時代で、貴族たちは階級によって華やかさの違う着物を着ていました。そして、徐々に庶民が手に入れられるようになるほど織物産業が盛んになる頃に、京都の西陣織・友禅染めなど各地で特徴豊かな技術が発達し、伝統文化として現代に残っているのです。

現代では特別な日やお祝い事の日にしか着なくなっている着物ですが、それだけ特別な物として日本人には大切な文化です。

着物の種類は、着用する場面によりいくつかの種類に分けられています。黒留袖・振袖・色留袖・訪問着・付け下げ・色無地・小紋・袖・浴衣・喪服……とこれだけですでに10種類もあります。一口に着物といってもたくさんありますね。

着物と浴衣の違い

浴衣姿の人々

外国人の方の中には、着物と浴衣は同じものでは? と思っている方もいるかもしれません。確かに浴衣は着物の一種ではありますが、明確な違いがあるのです。

簡単に言うのであれば、浴衣は「夏に着る薄手の着物」というところでしょうか。浴衣は綿や麻綿、ポリエステルなど軽い素材で作られており、涼しさを重視した着物の一種です。見た目も着物と同じ形をしていますが、生地の厚さや着込む数などが異なっています。

着物は下着の上にインナーのような襦袢と呼ばれるものを着てから着用しますが、浴衣は下着の上に直接着ます。

また、着物は正装であるのに対し、浴衣は正装には向いておらず、現代で言う部屋着や寝間着に近いものです。昔の人々も普段は着物を着て、家で過ごすときや湯上りなどに浴衣へ着替えていたのです。

湯上りに着るという文化は、今でも日本のホテルや旅館、温泉施設で見られます。色とりどりの浴衣が用意されている宿泊施設も多いので、見かけた際はぜひ着用してみてください。

夏になると、日本では花火大会やお祭りで浴衣を着る文化があり、この時期は浴衣を着ている方を多く見かけるようになります。外国人の方でも、着付けが簡単な浴衣を着て街を歩いている方が増えてきました。

着物の着付け方法

着物の着付け方法をご紹介したいと思います。映像で確認したい方は、下記の動画も参考にしてみてください。

まずは、帯を結んでからだと前かがみになることがとても難しくなってしまうので、先に足袋を履いてしまいます。その後、肌着を付けたら腰のくぼみにタオルを当ててひもで縛ります。ウエストとヒップの段差をなくすことで、着崩れを防ぎ、着姿も美しくすることができるからです。

次に、長襦袢と言われるインナーを着るのですが、この段階で着用後の美しさが決まってくるので、形を整えながら着用しましょう。

次に着物を羽織り、腰紐で結んで留めます。その後、着物のお端折を整えて伊達締めと呼ばれる小物で締めます。

最後は帯を結んでいきますが、帯の結び方には色々な種類があります。未婚女性が来ていた着物(振袖)ではボリュームのある結び方にすることが多く、リボンのような見た目になります。

現在は成人式に振袖を着る方が多く、結婚式でも、着物を着る場合には未婚の人は振袖を着ていることが多いです。一方で振袖ではない着物の場合は、帯のボリュームはあまり出さず、四角に近い形をした結び方にすることが多いです。

日本で着物レンタル・着付けができるところ

東京なら浅草周辺、京都や奈良なら市内に、着物をレンタルできて着付けもできる場所がたくさんあります。

着物を購入するのは高いし、自分では着付けもできない……という方は、ぜひこうしたサービスを活用してみましょう。

梨花和服

画像引用元:梨花和服公式サイト

梨花和服は京都が本店ですが、東京浅草にも店舗があります。着物のレンタルの他に、ヘアセット付きのプランやカップルプランも用意されています。

英語・中国語・韓国語に対応しているスタッフも常勤しているので、外国人の方でも気軽に予約できますね。

和楽

画像引用元:和楽公式サイト

浅草にある外国人の方も対応可能の着物レンタル店です。グループプラン、カップルプランなど幅広いプランが用意されています。

うるわしき

画像引用元:うるわしき公式サイト

うるわしきは外国人の方が多く訪れる伏見稲荷に近い場所にある着物レンタルのお店。外国人向けの着付け教室も行っています。

外国人の方だけではなく、日本人も着物をレンタルして街歩きすることがあります。そのためインターネットで検索すると、どの街にも着物のレンタルや着付けを行ってくれるお店は数多くあります。ヘアセットや写真撮影が付いてくるお得なプランもあります。

まとめ

今回は、日本の伝統文化であり民族衣装でもある着物にフォーカスを当ててご紹介しました。着物や浴衣はとても美しいものです。染めや刺繍1つで印象が大きく変わり値段まで変わってきます。

着用が大変であるからこその特別感もある服装なので、ぜひ一度体験してみてください。